今日、クロネコの元社長の話しを聞くチャンスがあった。わかったのは、何故クロネコがペリカンなどを圧倒したのか、その裏舞台である。
一言で言えば、顧客、社会、従業員が満足するサービスを提供することが、結果として業績につながるとの発想である。実質的なクロネコヤマトの創業者である小倉氏の「私の履歴書」を読んだことがある。その感想は、挑戦のない企業はダメになるというものだ。しかし、挑戦してきた企業もいつしか大企業になり、挑戦しなくなる。「大企業病が出てきている」と今日の話しにもあったが、そう元トップが感じているのならまだ大丈夫だろう。
それで、クロネコのサービスの裏舞台だが、「間違いがあることを想定し、バックアップ態勢を整えていること」に秘密の一端があるようだ。
どんなに最善を尽くしたところで、所詮人間のやること、間違いのないはずがない。間違うことを前提に、たとえば指定された場所と違うところに運んでしまう可能性を前提に、その間違った状態をいかに素早く正常の状態に戻すのかを想定し、バックアップ態勢が組まれているという。
もちろん、顧客情報のIT化などもあるが、そんなことは誰でも一応考える。でも普通、間違いの修復システムを十分に整えることをどこまで真面目に考えるだろうか。しかも、バックアップは生産的でなく、コストだけがかかりそうだ。ヤマトの発想は逆で、コストをかけてでも顧客の満足が得られれば、いずれ利益につながるというものだ。某福島原発の電力会社と政府に聞かせたかった発想でもある。
ネコの愛好家として、ついでにクロネコをますます使いたくなった一日だった。
2011/05/11