先日、5月の貿易統計が公表された。輸出はアメリカが回復しているものの、アジアやヨーロッパ向けが芳しくなかった。輸入は原油やガスが増加している。
輸出のうち、自動車は持ち直したようだ。前年比で4月が-43.2 %、5月が-26.6%となっている。アメリカ向け輸出の回復は自動車による。一方、半導体などの電子部品関連の回復は芳しくない。前年比は4月が-19.0% 、5月が-18.5%である。特定の工場の打撃が続いているものと考えられる。
輸出に関して気になるのはアジア向けが4月-6.4 %、5月-7.9%である。中国向けの数値はまだ公表されていないが、多分、中国の経済活動が減速傾向にある影響と考えられる。
輸入は原油やガスなどの代替発電燃料が増加している。想定どおりである。
この結果、輸入超過額が8537億円となった。リーマンショックの影響が最大に達した2009年1月の9679億円の輸入超過にほぼ匹敵する。
今後について、自動車の輸出の回復は続くだろうが、アジア向けはしばらく停滞する可能性が高い。これに対して燃料の輸入増加が続くだろう。このため、輸入超過状態が即時に解消されるとは考えられない。発電量がピークを超す秋まで輸入が超過し、これが日本の経済成長の足かせとなる可能性が高い。
2011/06/22