川北英隆のブログ

鉱工業指数5月へのコメント

5月の生産(季節調整済)は前月比5.7%上昇、3月対比では7.4%上昇となった。生産水準は88.8(2005年基準)である。大震災前の2月の水準97.9と比較すると91%にまで回復した。
ということで、ようやく震災前の底から4合目まで戻してきたことになる。予測調査によると、6月は5月対比5.3%の回復を見込んでいる。7月は6月対比0.5%の回復だから、2月の水準に戻るにはもうしばらく時間が必要なようだ。
5月の回復は自動車の回復によるところが大きい。乗用車の生産は59.5%増加した。ウェイトは生産全体の8.5%であるから、これだけで生産指数を5.1%押し上げた計算になる。
一方、電子部品・デバイスだが、5月は前月比マイナス0.6%と、ようやく底入れである。こちらもウェイトが8.0%ある。前年同月比ではマイナス15.9%となっている。乗用車が同マイナス35.1%(4月はマイナス59.8%)にまで回復しているから、電子部品・デバイスの戻りの速度に関心が移る。
もう1つの関心は7月以降の電力供給だろう。もう一雨来て、通常通り7月の中旬以降に夏本番ならまだしも、7月早々に梅雨が明けてしまうと、電力不足で生産の回復が遅れかねない。生産が回復しないと所得も低迷するだろうから、本当に厳しい夏になるかもしれない。
そうなれば、真面目な話、「男は短パンとTシャツ」で出勤して、冷房なしの事務室で働くのがいいと思う。大学はすぐさま夏休みかな。なんて、監督官庁のお達しで(15回授業をして、その後に期末試験ということなので)、8月上旬まで夏休みはお預けなのだが。立秋以降に始まる夏休みって何のこっちゃと言われかねないが、現実はそうである。

2011/06/30


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