クヴァンナダルスフニュークル山の登山口は標高100メートル。駐車場がある。夏場であれば登山口に雪はない。そこで身支度を整え、支稜の北側(進行方向の左側)から稜線にとりつく。
駐車場でアイゼン、ハーネス、ピッケルを借りた。アイゼンは靴との相性があるので持参していたのだが、何故か、前日にガイドから「アカン、貸す」と、当然ながら英語で言われていたので、駐車場で現物を借りた。持参したのも借りたのも同じ10本歯なのだが、出歯になってないとダメらしい。
登山口から支稜を巻くように登る。最初は緩やかだが、やがてガレ場風になり、左側が沢になる。雪溶け水が流れ、最後の水場である。さらにガレ場に沿った道を進む。やがて稜線に出る。標高1000メートルにはまだ達していなかった。
今年は雪が多かったと前日のブログで書いたが、稜線に出て少し登った1000メートル地点付近で雪道になった。朝早いので、まだ緩んでいない。アイゼンを付けるほどではないが、あれば安心なので付けることにした。広いカールを登り、雪の稜線に出る。1100メートル地点から雪の斜面の単調な登りとなる。この付近から他のパーティーはザイルを使い始める。雪の下は氷河なのでクレバスに注意してのことだ。我々のパーティーもハーネスを使ってザイルで結び合い、クレバスに注意しながら登った。
この付近まで晴れていたのだが、その上はガス(霧)の中となった。1800メートル地点までひたすら登ると、広い(といってもよく見えなかった)カルデラの(そう称する)平原となる。そこから、ますます単調な歩きとなり、眠気とサングラスに付着する氷に耐える歩きとなる。
カルデラの端まで1時間程度、最後は高度差200メートル程度の少し急な登りである。アイゼンがようやく本当に役立つ。
頂上もガスの中だった。東側が切れ落ちているらしいが、それさえよく分からなかった。大勢の登山者がいたが、シーズンはもっと多いとのこと。写真はクヴァンナダルスフニュークル山山頂の賑わいだ。
下りは同じ道をひたすら下りる。1100メートル地点でザイルから解放され、溶けた雪面を下った。登山口に近づくと高山植物が美しい。
というのが登山の報告である。登り始めたのが朝の4時、下りたのが夕方の7時過ぎ。15時間以上かかったことになるが、ほぼ標準である。当然、戻ったホテルでのビールは最高である。
2011/07/02