夏本番が近いので、涼しい話題を。アイスランドの最高峰、クヴァンナダルスフニュークル山(Hvannadalshnukur)である。標高2110メートルだが、さすがは氷の国、氷河の山である。
写真をアップしておく。ホテルからのものである。中央右側のドーム型がクヴァンナダルスフニュークル山の頂上だ。
前日、麓のホテルに泊まり、翌日の早朝から夕方まで歩き続ける。氷河の山なのでアイゼンが必要、ピッケルも念のために持つ(当然、手に)。しかも氷河にはクレバスが必ずあるので、ガイドを雇うのが望ましい。今年は雪が多く、クレバスはあまり表面に露出していなかったが、それだけに危険ということか。
たった2000メートルの山とはいえ、あなどれない。アイゼンをはじめ、技術は大して必要ないが、標高100メートル地点から2000メートルの高度差を上り下りするのに加え、それが雪の上だから相当の体力を要求される。アイゼンを付けて歩くのは、要するに重りを付けて歩くのと同じである。アイゼンを付けなければ滑るから、それもまた体力を消耗する。ジレンマだ。
さらに、アイスランドは気象が激しく変化する。多分、山岳地方で一日安定して晴れていることはないのだろう。写真のように朝晴れていても、午後には雲がかかる。頂上付近は雪交じりの霧が吹き付ける。霧の時のため(雪山で霧に巻かれると方向感覚がなくなる)、ガイドはGPSを持っているようだ。最初、そうは思わなかったのだが、下りに微妙に違う方向に行ったので。
で、その山登りは楽しいのという質問に対して、鵜飼の鵜になった気分と答えておこう。5-10人程度がザイルに縛られ、一緒に登るからだ。クレバスがあるから仕方ない。でも、頂上で記念撮影に夢中になると、ザイルがこんがらがってしまう。
2011/07/01