7/1に6月調査の日銀短観が発表された。足元の状況は大震災の影響で落ち込んでいるが、先行きについては明るさがいくつか見られた。もっとも、その明るさは全業種に共通のものではない。
新聞に詳細が示されているので、以下はポイントだけである。
業況判断DIを示しておく。数字は「3月調査・最近→6月調査・最近→6月調査・先行き」の順である。大企業・製造業は「プラス6→マイナス9→プラス2」、大企業・非製造業は「プラス3→マイナス5→マイナス2」である。これによると、製造業は先行きの回復速度が速そうだ。その製造業でも、自動車、業務用機械、非鉄金属、電気機械の回復速度が目立つ。また、生産用機械は足元も落ち込まず、先行きも堅調である。さらに、製造業ではないが、物品賃貸も生産要機械と同様の動きである。一方、電力・ガスは当然として、建設、宿泊・飲食サービスは冴えない。
この業況判断DIの背景として、企業の設備投資に前向きであること、国内との対比で海外需要が増加基調をたどっていることを指摘できる。今回の短観でも、2011年度の設備投資計画は大企業・製造業が前年度比9.2%の増加、大企業・非製造業は1.7%の増加と、製造業が比較的力強い。
短観から得られる株価に対する示唆は、今後は業種によって跛行色が強まることだろう。「海外、設備投資」がテーマとなりうる。このテーマから恩恵を受ける企業に注目していきたい。
2011/07/03