6/21に「日本株は買えるのか」、6/25に「経営者の評価がポイント」と、日本株式に投資する場合の視点を指摘してきた。でも、「経営者と言われてもね、どうするの」との質問もある。
そこで、ネガティブリストを示しておきたい。実は、ネガティブリストに該当する企業を外していくだけで高い投資パフォーマンスを達成できるとの哲学に基づき、ファンド運用している会社もある。
ネガティブリストの最たるものは規制産業だろう。公的色彩が強い企業も含めて、法的に守られている企業は、どこかで競争にさらされる。その時に、競争の経験がないから敗退していく。そんな事例をいくつも見てきたはずだ。典型はJALとANAの逆転的な栄枯盛衰だろう。
電力や鉄道などの公的色彩の強い企業はどうなのか。将来に来るかもしれない競争に備える覚悟が経営にないと、何かのイベントで敗退しかねない。このことは、今回の東電の事件で明らかになった。そうでなくとも、人口減少、国内GDPの頭打ちは、これらの産業に重くのしかかっているはずだ。単純に、料金体系が収益確保の基準によって守られているとの事実だけでは、長期的な株式の投資先としての意味が薄れてきている。反省を含め、そう記しておきたい。
もはや日本の企業においても、競争にさらされていない産業は少なくなってきている。しかし、どことは言わないが、まだ残っているのも事実である。そのような産業を避けるだけでも、市場平均よりも高い投資収益率を期待できるのではないだろうか。
2011/07/05