川北英隆のブログ

エレミ・トライアングル

7/9、南スーダンが独立する。スーダンはアフリカで最大面積の国家であり、かつてはエジプト・スーダンと呼ばれていた。スーダーンとはアラビア語で「黒い人」のことだそうだ(Wikipedia)。
スーダンの地域はナイル川に沿って発展した地域だから、エジプトとの関係が深かった。1956年に独立した。1983年にアラブ系住民を主体にイスラム法に基づく国家となったが、このために南部のキリスト教徒(アフリカ系住民主体)との間で内戦状態になったとのこと。そのために南部が虐待、弾圧されたことは有名である。それが2005年に和平協定に達し、ようやく7/9に南スーダンが元のスーダンから独立する。スーダンがアフリカ最大面積の国家でなくなり、その地位をアルジェリアに譲る。
そんな経緯はともかく、そのニュースをネットで読んでいると、ケニアと国境を接していることと、ケニアの宗教がキリスト教だから、南スーダンに石油をはじめとする協力を行なっていることが書いてあった。南スーダンは石油の産出国だが、製油所がなく、燃料不足、電力不足に陥っているので、ケニアが助けているそうだ。電力不足なんて、どっかの国で聞いた話だが、レベルが違う。
それはともかく、「ケニアと接しているんや」と思いながらも、あまり他人の発言を信じない性質なので、少し調べた。すると、その国境地帯が少し変に見えた。地図で確認すると、国境の未確定地域があり、エレミ・トライアングル(Elemi Triangle)と呼ばれているらしい。再度Wikipediaによると、南スーダンで弾圧された住民が難民となり、この地域に入っていること、ケニアが事実上この地域を占拠していることが記されている。そのエレミ・トライアングルは、スーダン(今後は南スーダンか)、エチオピア、ケニアの間で、まさに三角関係にあるらしい(想われている地域を加えると四角関係か)。トライアングルの由来はその地域の形が三角形に近いからだが。
なお、エレミ・トライアングルとの読み方は所有している地図(小学館)に基づくが、ネットでは、イレミ・トライアングル(Ilemi Triangle)と書いている方が多い。
高校の地理ではアフリカは適当に扱われた。大陸全体が一国のようでもあり、数ヵ国が地域名のように登場した。だから、国境紛争があるなんて知りもしない。たとえば、ナミビアと南アフリカだが、1990年までの地理では1つの国だったはずだが、地理好きであったにもかかわらず、そんなことすら知っていなかった。
旅行をし、ついでにいろいろな文献(といっても2,3)を読むと、「へえー」っと思うことが多い。エレミ・トライアングルは旅行した成果ではないが、アフリカに旅行するようになり、関心を高めた結果だろう。やはり経験することが重要だということで、ますます海外に遊びに行きたくなった今日の出来事である。

2011/07/06


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