キリマンジャロに登ったのは1994年である。海外の山としては玉山の次に行ったことになるが、印象は全く違った。当時のナイロビの空港に降り立った瞬間、異国だと思った。
山の感想はいずれかの機会に書くとして、山の食事はある意味で素晴らしかった。コックが一緒に登り、小屋でお茶を沸かし、食事を作ってくれる。材料は下から持って登り、燃料は小屋の周辺で調達する(要するに潅木を切ってくる)。山登りはイギリス紳士のスポーツだから、イギリス式に快適さを求めているのだろう。
だから食事は、スープ、メイン、デザートの順となる。その後、お茶だ。で、メインは肉なのだが、腐らないようにとのことなのだろう、干し肉系だ。だから固い。歯が良くないと食べられない。しかし、その硬い肉を食べないと腹が減ってしまうから、バリバリ食べていた。「噛んでると味がしてええねえ」と言いながら。不味くはないのだが、鍛えていないと顎が疲れる。
その後、同じ頃にキリマンジャロに行った人の話を聞いたところ、食事が美味かったとのこと。その人は硬い肉が好物ではなさそうなので(誰でもそうだろうが)、多分食事の質が違ったのだろう。こちらは安いツアーを使ってしまったのだろうか。
最後に泊まるのは4800メートル地点の小屋だ。さすがにそこでは簡素な食事だった。ただし、ビールが平地と同じ値段で売っている。確か1本(350cc程度)が1ドルだったと記憶している。ビールが飲めれば満足、ただし高地でのビールはすぐに酔い、身体に良くないのだが。
2011/07/12