川北英隆のブログ

山と海外の食事・マダガスカル

マダガスカルには今までに2回行った。そもそもはバオバブを見たいがためだったが、ついでにキツネザルも見たかった。そんな国だが、トラブルが多い。食事もその1つ、トラブルの種だ。
最初に訪れたのは1999年8月だった。旅行会社に手配してもらった。山と海外の相棒が一緒だった。その時の模様は多少、『輝く株・・・』に書いた。いい加減な、日本語がまあまあできる現地ガイドに連れられた。
マダガスカルはインドネシアに近い文化である。コメを作っている。食事は、コメと一緒に惣菜がフランス料理風に出てくる。メインはほとんど牛肉だが、市場で売られているかぎりでは、その牛肉にハエが山のようにたかっている。「黒山の」という表現は、「マダガスカル」もしくは「牛肉」の新たな枕詞になりそうだ。
でも、そんなのにひるんでいては(どうせ生で食べるわけではないから、ひるむ必要はないし)、腹が減ってしまう。それに、子供の頃の農家はハエだらけで、ご飯の釜を開けようものなら(食べるためには開けないといけないし)、ハエの数匹は確実に入る。ということで、ハエは気にならなかった。
しかし、その牛肉が少し臭う。乳臭いというか、そんな感じだった。もともと牛肉が大好きなわけでないから、その乳臭さが不得意になってしまった。偉そうに言うわけではないが、臭いに敏感なのだ。といっても、日本の牛肉は相変わらずで、とくに焼肉が得意なので、心配なく(誰も心配してないか)。それはともかく、一般的注意として、美しい食事にこだわるのならマダガスカルはトラブルの元だ。
その時のマダガスカルで覚えているのはバニラである。マダガスカルはそのバニラの産地である。バニラは黒ゴマよりも小さな粒だ。首都のアンタナナリボで、その粒を入れたお菓子(こっちは当たり前の食べ物)を口にしたり、それをアルコールの中に入れて飲んだりした。そんなに感動はないが、マダガスカルの思い出だろう。
シーラカンスが見つかったのもマダガスカルである。「料理と関係ないやろ」と言われそうだが、それを料理にしていたらすごいことになるなと思っただけ。
トラブルは出国の当日、地方都市からアンタナナリボへの飛行機が飛ばないことで生じた。前日、飛行機が飛ばないかもということで急遽予定変更、飛行場近くまで夜中に移動し、バスルームの天井からヤモリが落ちてくるような予定外のホテルに泊まったにもかかわらず。何時間も待ち、しかも国内を遠回りして飛行機で移動し、何とか国際線に間に合った。と、背中を叩かれた。新婚旅行で来ていた(何でマダガスカルやねん)お姉ちゃんに、「川北さん」と挨拶された。ほとんど一緒の観光をしていたから、無事を祝いたかったのだろう。
それで相棒だが、夏休みのアンタナナリボ大学を見学したところ(ほとんど誰もいなかったが)、この大学がいいと言っていた。その後もしばらく、サバティカル(特別研究期間)はアンタナナリボ大学かなと豪語していたが、その結末やいかに。

2011/07/16


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