川北英隆のブログ

山と海外の食事・シャモニー

シャモニーに行ったのは、モンブランに登ろうという計画があったから。1996年のこと。いつもの山と海外旅行の相棒とI氏が一緒だった。相棒がシャモニーで待っていて準備をしてくれる手筈だった。
思い出すと、I氏とは香港で待ち合わせ、そこからフランクフルトに飛んだ。台風が接近している日で、危うく乗り継げない所だった。フランクフルトに着き、相棒が下宿していたフランクフルト駐在の友人の出迎えを受けた。と、相棒はフランクフルトに居るという。その年は天候不順でシャモニーは大洪水に見舞われ、その時に相棒の乗っていた車が水に浸かったので、一度フランクフルトに戻っているとのこと。結局は3人一緒にシャモニーに向かった。
目当てのモンブランは依然天候が不安定だった。仕方ないので、シャモニーの谷を挟んで向かいにあるモン・ブュエ(Mont Buet)に目標を切り替えた。登山口は1300メートル地点、頂上は3096メートル、それを一日で往復する。岩場はあるが、とくに難しい箇所はない。頂上からのモンブランは最高。また、頂上の北側はエビアンの水源となっている。小用禁止かどうかは不明だが。下りも同じ道をたどった。天候が怪しくなり、雷雨となった。時間的にはかなり早い雷雨だったので、モンブランを諦めて良かったと思った次第だ。
夕食はホテルの近くのレストランに行った。田舎のフランス料理だが悪くなかった。値段も安かったし。当然、一日中山を歩いたから喉が渇いていた。ということでビールを注文した。フランスの生ビールだった。
I氏は調子が悪いと言って、すぐにホテルに戻った。後は相棒と一緒に料理とビールで盛り上がった。そうそう、相棒はモン・ブュエの途中まで行っただけだった。車の修理が終わったと聞いていたので、それを引き取っていた。車が直ったので機嫌が良かったのだろう。
大いに盛り上がったところで、「もう1杯」とビールを注文すると、店主が「もうない、お前らが樽を空にした」と言った。樽にどれだけ残っていたのかが問題だが、かなり飲んだことは確かだった。「ええっ」と言っていると、「ドイツ(緑色のカールスバーグだったようにも思うから、デンマーク?)のビールならある」と言うことだったので、もう数杯飲んだように記憶している。
シャモニーを修理済みの車で引き上げたが、スイス国境近くでエンジンが停止した。フランスのハイウェーパトロールにようやくのことで見つけてもらった。近くの修理工場に連絡してもらい、そこまで車と一緒に運ばれた。近くに何もないので、修理工場の食堂であまり美味くない昼飯を食べて待った。しかし、エンジンは直らなかった。レンタカーでフランクフルトまで戻ったが、たどり着いたのは夜中近かった。シャモニーでの楽しい飲食だけが、その山登りの収穫だったようだ。

2011/07/19


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