電力不足問題から、国内産業の空洞化に注目が集まっている。半ば愛国心から、日本の発展のために国内に残るとの企業が注目されるが、それが本当に愛国になるのだろうか。
そのような愛国心は、実は愛国ではない。日本国という独占権を資するだけであり、組織を甘やかすだけである。国も、つまり政府も海外と競争するように仕向けることで、真に魅力的な日本を作ることが本当の意味での愛国だと思う。
家庭のことをイメージすればいい。ドラ息子/娘がいたとして、それでもその子供を可愛がることが良い結果を生むのだろうか。どこかで叱りつけるのが子供のためになる。それでもダメな場合があるだろうが、それは仕方ない。本人にそもそも能力がなかったと諦めるべきだろう。
そういう意味で、国内での生産にこだわってきた某自動車メーカーは、最高責任者が甘やかされてきたから、自分の過去を反芻し、甘い発想に陥っているのではないかと思う。今日の日経新聞のネットのニュースに、日本電産の社長が「電力が足りないからといって、自家発電を増やしてまで日本に残るつもりはない」と発言したとある。当たり前のことである。むしろ、それがニュースになる日本の感性がずれている。
企業は大いに自己主張すべきである。投資家としては、当たり前の自己主張する企業を選択し、投資すればいい。それが、市場平均よりも儲かる株式を見つける一番の近道だろう。
2011/07/22