いわゆる役所的組織の問題点を痛感する。1つは、都合が悪ければ何でも隠そうとする体質である。もう1つは、組織が縦割りにできているため、マクロ的な推論ができないことである。
都合が悪ければ何でも隠そうとしたのは、中国の鉄道事故である。事故車両を埋めるなんて、通常なら考えられない行為である。1日やそこらで事故原因の究明は不可能だから(ましてや最新技術がからむとそうである)、関係しそうな物証は保管するしかない。将来、鉄道技術水準を高め、信頼性を高めようとするのなら、なおさらである。それにもかかわらず、事故車両をすぐに抹消しようとした行為は、直接事故に関係した者の自己利益を狙ったものとしか思えない。その埋めた車両をすぐに掘り出すなんて、もっと上位者からの指示があったからに他ならない。
なんて、日本が安心できるわけではない。セシウム汚染牛肉の問題である。この分では東北の魚も問題になるかもしれない。その魚はともあれ、牛肉の汚染は、以前にも書いたように政府(農水省)の問題だろう。野菜や茶葉の汚染がとりざたされているのに、牛の飼料とする稲ワラを野外に放置させ、その放射線量を測定しないなんて、常識では到底考えられない。組織が縦割りすぎるのか、農水省が変に農家の味方だったのか(そうであれば贔屓の引き倒しだが)、そもそも推論能力がなかったのか。
いずれにしても、その責任を誰かがとらないといけないわけだが、その保障をどさくさに紛れて東電に押し付けるのだろうか。東電を擁護するわけではないが、そうなったとき、東電が怒らないとすれば株主代表訴訟ものだろう。八代湾の問題といい、農水省は遅れた役所のような。関係者がいたら、ようく偉い人に言っておいてほしいものだ。
2011/07/28