原子力安全・保安院、原子力安全委員会の2つを整理統合し、環境省の外局として原子力安全庁の設置を検討するという。思うに、機能していない組織が政府内部にいろいろあるのではないか。
2001年に中央省庁の統廃合がなされたが、それから10年、これを機会に再度組織全体の見直しと、各省庁の内部組織のあり方を外部の目で評価すべきではないだろうか。一部の役人は非常に忙しいが、平均的には民間と比べのんびりとしたムードが漂っている。特定の事項の説明に、何人もが参加したりする。
公務員の人件費の削減は進められている。震災財源を確保するため、国家公務員の給与をカットしようとの案もあった。その名目はともかく、人件費を一律にカットするのは非常に単純で公平のように見えて、その実は悪平等でしかない。民間企業でいうと、経営能力のない企業がやみくもに生き残りを賭けて用いる手段でしかない。結果は、戦略的に必要な組織を脆弱にし、優秀な人材のやる気を削いでしまう。
内部組織や構成員の給与の評価システムを整えることが先決である。また、経営者的判断能力を有したトップが強い意志でもって、組織の見直しと統廃合をやり遂げなければならない。繰り返しになるが、削減の目標数字だけを一人歩きさせ、その目標を一律に割り振るだけでは、トップとは言えない。それがトップだと思っているのなら、そのトップの給与をまっ先に平職員並みに下げる必要がある。
2011/08/12