川北英隆のブログ

年寄りの大変2

続きだ。母親が入院した病院は小学校の同級生の一族が経営する病院である。昔は精神科の病院だった。ちびまる子に登場する花輪君的存在だった。家にグランドピアノがあって、感動した。
その病院が総合病院となり、近くの社会保険病院を凌駕しているらしい。50年ぶり位に行って驚いたのは(同級生がどうしているのかは知らない)、すごく綺麗な病院ということだった。職員も非常に親切である。かつて最先端だった社会保険病院は「汚くて、看護士がつっけんどう(つっけんどん)」との噂だ。時間が経つと社会の様相は大変化する。厚労省経由で社会保険病院に関係する者(厚生労働省独立行政法人評価委員会委員)として、いいネタを得た。
それはともかく、病室に入った。4人部屋だった。ちらっと名前とベッドの位置を確認して入り、それとおぼしき箇所を覗くと、ベッドに寝ていた老人がいて「違いますよ」と言う。そう言われると、老人が母親と異なっているような気がした。「間違ったか」と思い、他のベッドを覗いたが、それらしい雰囲気がない。もう一度、最初のベッドに戻り、覗き込んだ。「違いますやろ」と老人がもう一度言う。でも、ベッドの上にあった標識には母親の名前が書いてある。
というわけで、まあ無事に見舞えたのだが、思うに、母親は子供の、子供は母親の顔をまじまじ見たことがないものだから、場所と状況の異なった環境で対面すると間違えてしまいかねない。皆さんも、もう一度肉親の顔を間違わないように確認しておくこと。旦那や女房の顔を間違うとそれこそ一大事になりかねないことだし。それとも、わが家だけの事件かな。

2011/09/10


トップへ戻る