川北英隆のブログ

嵐を呼んだノルウェー

アイスランドのブログの時、「嵐を呼ぶぜ」と題して旅行前中後の騒ぎのことを書いた。今回は、少し記憶をたどってもらうと「ははーん」ということになるが、オスロ近郊の惨殺事件があった。
その事件が起こったのは7/22である。旅行することを決めた後だったが、どうしょうかとは少し考えた。でも、組織的なものではなく狂人の犯罪なので、予定通りに旅行することにした。
オスロ市内の大聖堂の前にはまだたくさんの花が捧げられていた。また、オスロからヨートゥンハイメンに行く時、国道がその惨殺のあった湖を通る。珍しく(そもそも自動車の台数が少ない国なのに)道路が渋滞していたが、遺族がその惨殺の島で式典を執り行うのだという。確かに、喪服を着た人達が自動車から次々に降り立っていた。
ノルウェーにそんな狂人がどうして生まれたのか。そもそもノルウェーは豊かな国である。評価はともかくとして、自動車の台数とヨットの台数が等しいのではないかと思えるほど、オスロの入り江にはヨットが停泊している。だから、何故なのかと余計に思う。
しかし、オスロ市内の地区によっては何となく歩くのをためらうこともある。中心からほんの少し離れると(証券取引所や中央銀行を見に行ったとき、その周辺で)、元々ノルウェーではない異人種が目立った。道路でたむろしていたり、身なりが普通ではなかったり、目的なくうろうろ歩いていたりする。ノルウェー政府は移民に寛大なそうで、その影響である。それを目撃すると、狂人の心境が理解できなくもない。とくに、移民を基本的に拒絶している日本人にとっては。
「やっぱり嵐やなあ」と思い、その嵐の最中でなくて良かったと痛感した。なお、オスロ市内の爆破現場は確認しなかった。

2011/09/01


トップへ戻る