日本企業の収益性が低い。その1つの理由は模倣文化にある。模倣し、進化させようとする。でも、文化財ならともかく、日常製品の模倣と、その価値はたかが知れている。
この企業に関する議論はもう一度、すぐにするとして、ノルウェーで驚いたのは、民家の横に薪が積んであることだった。また、昔の家の屋根には草とコケが生えている。というか、生やしてある。
薪はスローライフの象徴なのだろう。貧しくて石油を買えないわけではない。暖炉で薪を燃やし、そのまったりとした暖かさの中で暮らすのが豊かさの証明なのだろう。屋根の草とコケは断熱用である。読売のネットのニュースで、富山の業者が建築用のコケ・マットに注力しているとあったが、大昔から実用化されていたわけだ。
昔、母親の実家に竈があり(実は私の実家にもあったのだが)、そこで柴を燃やして米を炊くのが楽しみだった。パチパチと柴がはぜて青い煙が立ち、良い香りがする。「ダイオキシンが発生する」なんて誰も言わなかった。
それに近い生活をノルウェーではしているのだろう。薪屋さんもあって、近くで伐採した木を薪にしていた。日本でも昔は薪屋があり、その軒先に束ねてある薪からチャンバラに使えそうなのを引き抜いて遊んだものだが。今では誰も薪を使わない。そのため、林が荒れている。松やミズナラが枯れるのも、その影響が大きい。
日本での流行は世界的なものではない。模倣が正しいわけでは決してない。何が効果的なのか、楽しいのか、まず自分で考え、行動する必要がある。
それで気になったのがテレビ放送である。台風や地震のとき、「こうしてください、ああしてください」と、がなり立てている。「水を飲む時、気管に入って窒息することがあるので、十分に注意してください」なんて、テレビでいずれはがなるのだろうか。昔、母親がそれに近いことを注意してくれたのには、笑いを通り越してしまったが。
2011/09/06