世界的に株価が変調だ。それを見て、「日本の1990年代以降の株価下落過程の再来」との見立てもあるが、本当だろうか。楽観主義者として、日本を世界に当てはめてはいけないと思う。
「ドジョウ内閣」が発足したという。思うに、「井の中のドジョウ内閣」にだけなってほしくない。日本人は親切で優しいらしい。本当だろう。それは農村社会の掟である。しかし反面、嫉妬深い。他人の不幸を内心喜んでいないのか。出る杭をすぐに打とうとしていないのか。
それはともかく、日本と、いまだに世界の中心であるアメリカとの決定的な違いがある。最近、講演でよく使っている事例だが、マイクロソフト、グーグル、アップル、フェイスブックを1990年代以降の日本は生み出したのかという質問である。この事例が象徴するように、日米の経済の活力の差が大きい。オバマは短命で終わるかもしれないが、でも4年間、政権を維持してきた。そんなアメリカからすると、絶対に日本と比べてほしくはないだろう。もしも私がアメリカ人だとすれば、一笑に付すのが筋だ。
株式市場も、日々の動きを見ていると自律性がある。自国の経済の動きを素直に反映する。「日本の今日の株価」がアメリカの写真であることと比較すれば雲泥の差だ。それに、最近気づいたのだが、相場と逆行する株式もあり、多様だ。金鉱株である。騙されたと思ってこれから追跡するといい。アメリカ株全体が下がった時に上昇する。おかげで個人的にも少しはヘッジできたのだが。
2011/09/07