京都から東京に仕事で行くと、冬は「京都は寒いでしょう」であり、夏は「京都は暑いでしょう」である。本当にそうなのかを調べてみた。手間暇かけても一度調べる値打ちがある。
まず、2001年から10年までの10年間である。1月から3月までを平均してみると、東京の方が最高気温は0.5度、最低気温も1.8度高い。京都の冬は東京都比べて寒いことになる。7月から9月については、京都の方が最高気温は2.0度高く、最低気温は0.2度低い。つまり、京都の日中は暑いが、夜はさほど変わらないか、むしろ多少しのぎやすいことになる。
同じことを1955年から64年までの10年間について調べた(子供の頃の状況を知りたかったので1955年である)。そうすると、最近の10年間と比べて冬も夏も、最低気温も最高気温も高くなっている。原因はともあれ、この50年間くらいで暖冬、猛暑になったわけだ。京都と東京の比較では、冬の最低気温の差が拡大していた。つまり東京の冬の最低気温の上昇が激しい。一方、夏の最低気温と最高気温差はあまり変化がなかった。
ついでに、奈良についても調べてみた。奈良と京都は、気温に関してよく似ていると思っていたが、かなり差があった。まず冬だが、最低気温も最高気温奈良の方が低い。奈良の冬は厳しいわけだ。夏も奈良の方が低く、比較的涼しいことになる。
この50年間くらいの変化は、やはり暖冬、猛暑になっていて、同じである。もっとも、冬の最高気温の上がり方は京都よりも奈良が大きく、2001年からの10年間では冬の最高気温は奈良も京都も大きな差がなくなった。一方、冬の最低気温は京都の上昇が目立つ。夏について、最高気温の上昇に大きな差はないが、最低気温は京都の上昇が目立つ。
都市化すると冬の最低気温が上昇するのだろうか。東京の冬の最低気温の上昇が一番大きく、次に京都であり、奈良はそんなに上昇していないから。夏の最低気温は東京も京都も同じように上昇しているが、奈良は小さい。これも都市化の影響なのか。
いずれにせよ、昼間の気温は「京都は寒いでしょう」、「京都は暑いでしょう」だが、夏の夜は「東京は暑いでしょう」となる。
2011/09/15