朝、東京から戻った。東京駅までの空気は冷たく、歩いても汗が出ない。車窓からの景色はといえば、澄んだ空の下、いつの間にか黄色く色づいた水田が広がっている。秋分の日、一気に秋だ。
朝早い電車だったので豊橋付近まで寝てしまった。起きると、どっしりとした恵那山が目に入った。登るのに時間のかかる山だったことを思い出した。そこから少し左に、つまり進行方向に目を転じると、うっすらと御嶽山が見えた。夏にはすっかり忘れていた名古屋からの車窓の景色である。
今日は伊吹山も良かった。秋の空気のせいなのか、それとも少し紅葉が始まっているのか、上部が夏の濃い青とは異なり、黄緑に輝いていた。夏の色は茂った草を連想させ、登る気を起こさせなかったが、今日の色なら登りたいと思わせる。
京都に戻ると、北から比較的強い風が吹いていた。窓を開け放して仕事をするには寒い。郵便が来たので玄関のドアを開けると、スズメバチが1匹横たわっていた。寒いから弱っていたのか。「まだ、もうちょっと暑い日もあるから、くたばるには早いよ」と声をかけたが、そのスズメバチには遅かったようだ。
2011/09/23