川北英隆のブログ

鉱工業生産9月

先週末、9月の鉱工業生産指数(速報値)が発表された。生産は前月比マイナス4.0%だった。8月に前年同月の水準をようやく超えるところまで回復したものの、回復は一旦、一服というところだ。
企業自身の今後の予測によると、10月、11月と回復基調に戻り、9月の落ち込みを取り戻すことになっているが、実現の可能性は半分以下といったところか。新興国の経済活動が停滞気味であることや、欧州経済の混乱の影響もある。さらに、9月から深刻度を増したタイの洪水の影響もある。今回の予測の信頼性に関して、9月の生産の落ち込みが企業の予測よりも大きかったことも考慮に入れないといけない。
業種別に見ると、9月に腰折れ気味となったのは、半導体製造装置、金属加工機、民生用電気機械、通信機械、乗用車など、機械に多い。一方、電子部品・デバイス工業は依然として冴えないが、一部に回復の兆しが見られ、多少明るくなってきた感じがする。
今後については、すでに指摘したように、新興国次第だろう。9月の貿易統計について地域別の数字がすべて出揃ったので分析したところ、中国はますまずだが、その他の新興国の落ち込みが大きかった。ちなみに、欧米は新聞で騒がれているほどの状態ではない。もちろん、伸びてはいないが。
ということで、海外市場の動向がそのまま国内の生還活動に影響する状態が続いている。一番早く公表される貿易統計さえ分析すれば、それで十分ということだ。

2011/10/31


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