川北英隆のブログ

カダフィ死す

2年間、リビアに君臨したカダフィが死亡した。新聞の見出しに「殺害」とあったが、まるで犬畜生(なんで猫畜生でも、牛畜生でも、○○畜生でもないのか、不思議だが)、もしくは害虫扱いだ。
カダフィは42年間にわたり実質的な王座にあった。1942年生まれ、69年間の生涯になる。リビアに国史の授業があるのなら、必ず登場する名前だろう。世界史にも「アラブの春」の終幕として必ず登場するかもしれない。そういえば、シリアはどうなったのか。
カダフィは悪者として殺された。しかし、法治国家としての先進国が登場する以前は、やはり各国の統治者もしくはその一族は、どこかの時点で悪者として殺されるか、対外的な戦いに敗れて命を失うのが通常だった。ひょっとして、発展途上国が先進国になるための宿命なのかもしれない。
そう考えると、法治国家になりきっていなかった国に生まれ、毀誉褒貶はあるにせよ統治者になる才能のあったカダフィは、ある意味で可哀想な宿命を負っていたのだろう。
ということで、まるで害虫を駆除するような「殺害」という表現を使われたカダフィには、迷いなくあの世に行くようにとだけ祈っておきたい。歴史には、やはり悪者が不可欠なのだから。

2011/10/21


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