川北英隆のブログ

梨吉で食べる

先日、東京から来てもらっている同僚と縄手通り近くの梨吉(りきち)に食べに行った。以前はよく通った店だが、家から少し遠いので、最近では疎遠になっていた。質が落ちたわけではない。
梨吉は最初、雑誌社の知り合いに教えてもらった。京都の湧き水を使って料理しているとのこと。店主の奥さんが某女優と姉妹だとも聞いた(記憶間違い、叔母さんだそうだ)。その奥さんだが、混んだ時には店に出ている。
今はどうなっているのか知らないが、京都でミシュランの評価が始まったときには星が付いた。そんなことはともかく、それ以前から、焼いた魚がすばらしい。初めて梨吉に行って鮎の塩焼きを食べたとき、普通の魚屋の鮎と比べて小振りなのだが、身が引き締まっていて非常に美味かったことに感動した。先日も、「今月いっぱいかな」ということで出てきた鮎が子持ちの鮎で、香ばしかった。
食べながら知ったのは、その翌日、大学に非常勤で教え来てもらうことになっていた某氏が同僚の知り合いでもあること、その某氏は講義の終わった後、同僚と一緒に南禅寺付近で湯豆腐を食べる約束になっていたことだった。
実は最初、同僚から「湯豆腐でも食べに行こう」と誘われたのだが、「あまり湯豆腐は好みでない」と断って梨吉にした経緯もあり、「湯豆腐を食べられることになって良かったね」でその日は終わった。
翌日、某氏は東京から京都に来るには来たのだが、ウイルス性の大腸炎で極めて体調が悪いとうことだった。講義は休講になった。当然、湯豆腐もキャンセルになったと聞いた。まだ季節は湯豆腐に早いという店違う、天のお告げだったのかもしれない。しかし、ちょっと可哀想な結末だ。

2011/10/26


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