川北英隆のブログ

農業パラサイトと選挙制度

もう1点、TPP交渉に関して言わないといけないのが日本の選挙制度の不備だ。農業関係団体の声が大きくなるように拡声器が完備している。
選挙区の人口と議員数の関係に、既存秩序(毀損秩序ではない)を重視するさすがの最高裁も「違憲状態」と判断せざるをえない不公平が存在する。当然、都市部が不利、農業関係者の割合の多い地方が有利となっている。結果として、TPP反対に与する議員の声が不自然に大きくなる。
だから、「たばこ税の増税案」も反対派が多く、流れてしまった。たばこを槍玉にあげると「じゃあアルコールは」と言われそうなのと、私自身は風邪や花粉症の時を除くと紫煙には比較的寛容なので、「絶対に増税を」とは言わない。しかし、吸殻をやたら道で捨てる輩がいるので、その対策として増税して、監視やお掃除のためのオジさん/オバさんを雇用すればいいと思っている。そうすれば立派な高齢者雇用対策になるだろう。
頼りなさそうだった野田さんだが、とりあえずは前の誰か(名前さえ忘れそうだ)と違い、TPPには一本筋を通したようだ。ついでに選挙制度にも筋を通して欲しいと思う。
もちろん選挙制度を変えるとますます政治が衆愚化する恐れもある。しかしこの恐れに対しては、まず自分たちの声が公平に国政に反映されるのだとの意識を高めることが必要であり、その上で政治を真面目に考えさせるという段階を踏まなければならないだろう。

2011/11/12


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