東大が秋入学に向けて邁進しているように報道されている。どこまで本気なのか直接の情報はない。京大も東大に同調して積極的なように報道されたが、どうも新聞が面白おかしく書いたようだ。
高校を卒業して半年待って大学に入るというのは、形式だけを世界の標準に合わせたにすぎない。中身が伴わなければ、かえって世界から取り残される速度を高めるばかりだ。何か目立つことをやらないと成果を上げたと認められない政府の犠牲として、学生に白羽の矢が立ったとしか思えない。
入学が4月だろうが9月だろうが、どちらでも構わない。必要なのは、伸び盛りの年代にいかにして効果的な学習や体験をさせるのかである。10代後半の大事な時期に、何の成算もなく半年のギャップを設けられることは大いに迷惑である。
もしも大学改革をしたいのであれば、教育全体の体系の中で大学をどのように位置づけるのかの議論が先行しなければならない。飛び級を積極的に進める(高校1年や2年であっても大学受験できる)、高校卒業の統一資格を積極的に活用する、大学入学要件を緩和して「一定の能力要件さえ満たし、希望すれば、どの大学にでも基本的に入れる」ものの卒業要件を厳しくする等、これらをセットにして大学の秋入学を構想すべきだろう。
それとも、高校から大学への半年間は強制的な社会ボランティア(徴林制など)に充てるとの構想があるのだろうか。
2012/02/06