昨日、1999年5月から書いてきた月刊誌向けの最後の原稿を渡した。金融や証券関係の記事というか、雑感というか、ある時には分析的なことも書いた。13年近く書いてきただけに少し感慨がある。
税務研究会のスタッフアドバイザーである。金融の専門誌ではないが、その中に金融証券のコーナーが設けられてきた。
最近、書く方としてもネタが限定されてきていた。それだけ金融や証券市場が面白くなくなってきているのかもしれない。最近ではリーマンショックや欧州の危機があるのだが、どちらを向いて進んでいるのか、月単位で見ているだけでは分かりにくいこともある。欧州危機に関してブログで書いたように、危機の当事者としても、どうなるのか分からないだろうし。ということで、ネタ探しに苦労することもあった。
それと、記事の内容が暗いものに偏りがちなのも確かである。日本から金融証券市場を見ていると本当に暗いから仕方ないのだが、暗い内容が続くと読者に歓迎されないかもしれない。以前から気づいていて、たまには明るい内容のものも書いたのだが、この部分は反省である。
一方で雑誌の売れ行きが悪化しており、内容のリニューアルが急がれているとのこと。ネットの普及がいろんな雑誌の販売数を圧迫しているのは事実である。記事を書く方とすれば、ネットの発達で資料の入手が容易になっている。このネットを巡る出版社の損益悪化と書き手の利便性向上の微妙なバランスが限界に達したということだろう。
13年間書いているといろんなことがある。その最大のものは、その記事の一部を著書に使ったことだ。2008年に出した『株式・債券投資の実証的分析』に引用させてもらった。その引用に御礼に、初めて出版社の事務所を訪問した。
1つ定期的な原稿書きがなくなるので、少し楽になる。もう1つ、1991年から月に1回、原稿を書いている雑誌がある。こちらはメモ書き程度なので分量的には楽なのだが、金融に関するニュースの記事なので、ネタという意味では一番大変である。まあ、自分自身の備忘録だと思い、ある程度納得して書いているのだが。
2012/02/11