今日の日経新聞によると、AIJ事件の余波で、独立系、すなわち大手の金融機関や証券会社の系列でない投資顧問会社への資産運用委託を敬遠する動きがあるとのこと。好ましくないことだ。
AIJは独立系だった。一旗揚げようという意図が捻じれて、詐欺的な一旗になる可能性も否定できない。それに系列にいなければ、内部統制のノウハウに不備がありうることも確かだろう。
とはいえ、独立系には優れたアイデアがありうる。その芽を事前に摘んでしまうことはどうなのか。独立系投資顧問会社は金融界でのベンチャービジネスである。年金側が選別眼を養わずに、ベンチャーをすべて門前払いしていいものなのか。日本の金融ビジネスの高度化のためにもよろしくない。
それに、系列だからといって信用していいものだろうか。詐欺的な行為はまずないにしても、グレーな領域であくどいことをする系列の、もしくはその親の行為はいくらでも指摘できる。年金側が選別眼を養わないまま、形式だけでもって資産運用の委託先を選り分ければ、一気に大損することはなくなるだろうが、じわじわと資産を蝕まれかねない。
今日のニュースを読んで、一部の年金は貧すれば鈍する状態に陥っていると感じた。
2012/03/07