3/7に国立大学協会が総会を開き、秋入学についても議論したようだ。その報道の仕方が新聞によって違うのが興味深い。
ネットから、各紙の違いを浮き出してみたい。
朝日新聞では(最初にこの新聞の記事が目に入ったから、ブログでの順番も最初にしただけだが)、「秋入学突出に懸念の声」ということで、京都大学の松本総長の発言が紹介され、さらに大阪大学の平野俊夫総長は「秋入学の問題はグローバル人材を育てる一つの手段と述べ、(教育の)中身の問題よりも入学時期の問題に議論が非常に集中していると懸念を示し、東大と距離を置いた」としている。要するに、秋入学への批判を前面に押し出している。
日経新聞は逆で、「秋入学を改革の起爆剤に 国大協総会、賛同目立つ」との見出しを用い、賛同する意見をまず紹介した後、「ただ、入学時期の見直しが先行議論されることなどについては、慎重論も出た」と軽く触れ、大阪大学と京都大学の意見を紹介している。実のところ、朝日新聞の内容をネットで読んだ後で日経新聞を読み、「ええっ、別のことを書いているやん」とびっくりした次第である。
読売新聞の見出しはといえば朝日新聞に近く、「東大の秋入学、京大学長が距離 まず教育の質」とし、「東大が進める秋入学構想について慎重な意見が相次いだ」と書いてある。読売新聞の報道は、ことプロ野球は別にして、日頃から中立的だと思っている。
このような視点からすれば、日経新聞が突出している。何故、日経が突出しているのか、理由は不明である。今日、日本生命の年長の役員を訪問したところ、期せずして、かつこちらがその議論に誘導したわけでもないのに、「秋入学の議論はおかしい」と憤っていた。この議論に関しては「どうしたの、日経新聞、教えて」というところである。
追記:
時事通信の記事が淡々としている。また、松本総長から事前に聞いていた主旨に近い。「国立大学協会は・・・予定していた議事の最後に、会長の浜田純一東京大学長が、秋入学について・・・協会として議論することを提案した。反対意見はなく、今後、協会内の委員会で協議する」と。その後で一橋大学の「議論することは大いに結構」という意見と、大阪大学の「秋入学という言葉ばかりが独り歩きし・・・重要な教育改革の中身の議論がされなくなることを一番懸念している」との意見が紹介されている。
2012/03/08