3月15日、ライフネット生命保険がマザーズに上場を果たした。資本をたくさん食う生命保険会社が独立系として日本で上場にまでこぎつけたのは、これまでの常識では考えられないことだ。
設立時に100億円以上の設立資金を集めたことが驚きだった。生命保険業界の事情をよく知っていれば、成功の可能性が皆無ではないことは理解できただろう。しかし、ベンチャーとして生命保険事業を営み、上場するのは並大抵のことではない。
実質的な設立は2006年10月、生命保険業の開始は2008年5月である。この間に出資者を集め、免許を取得したわけだ。日本の景気が良かったことが幸いしただろう。しかし、既存の生命保険業が進出できていなかった領域(営業方法、保険料を含めた商品)にターゲットを絞ったことが成功の秘密だろう。もちろん、それを実現するための見識、知恵、ネットワーク、信用力と行動力が伴わないといけない。
以前にも書いたが、既存の生命保険会社はライフネットの上場をどのように評価しているのだろうか。開業後、まばらに聞いたところでは冷ややかな評価が多かったと思う。
現在の状況を知るため、保険のネット販売を検索し、トップにあったページを開いたところ、生命保険では日本、第一、住友の名前がなかった。明治安田の名はあった。外務員(昔でいう保険のオバちゃん)組織をかかえているので、ネット販売に踏み出すのは難しいのか。それとも、ライフネットのまねをするようで、プライドが許さないのか。
2012/03/16