川北英隆のブログ

東証1部上場に値しない企業

山水電気の続きである。知っている人もいるだろうが、実は日経電子版のマーケット欄で「注目ランキング」が簡単に見られる。その中に「時価総額下位ランキング」というのがある。
時価総額下位ランキングが何のためにあるのか一見不思議だが、超小型株なので少しいじれば値動きが激しいだろうし、価格がきわめて低位にある場合が多いから値段の変動率が大きい。要するに仕手的な色彩の強い投資対象ということだろう。
具体的な企業名を書くと誹謗中傷になるので控えるが、一度ランキングを見てほしい。その上で、ランキングに登場する企業の業績推移を会社情報や四季報で確認するのがいい。
さて、ランキング(4/6引値ベース)によると、東証1部上場で時価総額が20億未満の企業が山水電気を含めて3社ある。30億円未満となると17社だ。東証2部上場で20億未満の企業は42社。これらのうち、株価が2桁になり、しかも50円を割ってくると、一般投資家として要注意だろう。仕手的な株が好きなら、大歓迎かもしれない。
ニューヨーク証券取引所の上場維持基準に1株当たりの株価がある。株価が1ドルを割ったまま30日間を経過すると上場廃止の警告が出される。山水電気のこの1年間の値動きは5円から1円の間を変動していた。ということは、すぐさま5倍もしくは1/5になるわけだ。どう考えても不健全、投資家のオモチャとしか思えない。東証も、株価に関して、ニューヨーク証券取引所並みの基準を導入すべきだろう。

2012/04/08


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