川北英隆のブログ

社会人になった卒業生へ

という題目にしたのは、今年の卒業式、修了式の日に京都にいなかったからだ。タイへの日程を調整すると、卒業式と修了式の日を含めた数日しか空いていなかった。そこで、遅ればせながら「訓示」を。
訓示1:仕事が事務でないのなら、「80点でいい」。「100点」を取る必要は全くないし、不可能だし、それを目指すこと自体が無駄である。
以前にも少し言及したように記憶しているが、言われた仕事に対して80点を取るのは比較的簡単である。しかし、100点は、それが論理的に解ける課題でないかぎり不可能だ。90点には到達するかもしれないが、たかが10点のアップに対して大変な労力が必要となる。それよりは80点の仕事をたくさんこなした方がいいに決まっている。
訓示2:「120点」の仕事を目指すべきである。
言われた仕事を少し批判的に見て、取り組むことが必要だ。仕事を放棄しては「クビ」だからやらないと仕方ないが、「自分ならこうするのに」という部分を見つけておかないといけないし、必ずどこかにそういう部分がある。そして、「自分ならこうする」の片鱗を言われた仕事にうまく取り入れればいい。その自分なりのやり方が優れているのなら、「いいね」となる。そうすれば「120点」をもらえる。100点を取るのは不可能だが、120点を取るのは可能だ。
訓示3:一段上の仕事を目指すべきである。
これは教訓2と同じ趣旨である。高校までは知識の習得が勉強だった。大学は既存の知識に対して批判的に考える力の養成である。社会人は(大学院もそうだが)、大学で養成した「批判的に考える力」の実践である。批判を行動に移すことで、新たな世界が切り開かれる。
新しい社会人に日本の未来がかかっている。半分以上、本気でそう思う。

2012/04/01


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