川北英隆のブログ

日本の株式は買えるのか2

昨日(昨夜の12時を過ぎて)、「日本の株式は買えるのか」をアップしたところ、今日、東証の斉藤氏のインタビュー記事「日本株式相場の行方は」が日経に掲載されていた。読んで違和感が強かった。
欧州危機、投資家の構造(海外が多い)と行動(リスク回避)、アメリカの規制強化、証券取引所のシステム(高速取引)、日本政府の政策などに議論の大部分が費やされていて、株価トレンドの大半を決める上場企業に関してのコメントが極めて少なかった。要するに、株価が低迷しているのは、投資家の行動と日本政府の政策が悪いからだと主張している。少なくとも、そう読める。斉藤氏の出自が証券会社だから、目先の相場しか映らなかったのか。
ひょっとして記者の質問の仕方も良くなかったのかもしれないが、そうだとしても、記者の質問に乗った回答はいただけない。東証が株式市場の本質を理解しているのだろうか。その本質を理解し、証券流通市場の役割を全うしているのだろうか。このように考え、真夏が近づいて節電が要請されているにもかかわらず、「お寒いかぎり」と身震いした。それとも、究極の節電対策が施されたのか。ちょっと時期を先走っているようにも思うが。
いずれにせよ、この記事に鼓舞され、東証の位置づけをどのように考えるのか、今後、議論を展開したいと思う。ということで、依頼されている原稿のテーマが決まったことは嬉しいかぎりだ。
断っておくが、東証にはお世話になったことがある。斉藤氏個人とは数回話した程度である。ということで、「恨み」は全くなく、むしろ少しは感謝してもいいくらいなのだが。

2012/05/28


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