川北英隆のブログ

貿易統計2012年04月

4月の貿易統計が公表された。3月に比べれば良かった。輸出入の差額で評価すると、「底ばい状態が続いている」となるだろう。季節調整を行うと、輸出入の差額の赤字状態は14月連続である。
4月の輸出入の差額は季節調整後、4801億円の赤字だった。前月が6165億円だったので、それよりは減少している。とはいえ、4?5000億円前後の赤字が昨年11月から続いている。大震災前、2010年は逆に月間5000億円程度の黒字だったので、差し引き、毎月1兆円程度の貿易状態の悪化ということになる。
4月は輸出の緩やかな回復がみられた。地域別にはアメリカ向けが回復している。アジア向けも復調の兆しがある。一方、EU向けはまだ低下基調が続いており、全体の足を引っ張っている。
季節調整後の輸出額は、昨年11月を底に増加に転じている。とはいえ、輸入が高水準にあるため、輸出入の差額の赤字幅が大きいままである。世界的に一次産品価格が軟調になっている一方、夏場に入っての電力需要の増加とともに燃料の輸入量の増加が予想される。輸出入の差額が赤字の状態は当分続きそうである。

2012/05/23


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