昨日の「債券市場の変化」の付録である。昨日は寝る前に「ぱぱっと書こう」と思ったのに、意外に難航した。というのも、「ちょっとだけ数字の裏を取ろう」と思ったのが間違いだった。
論文を書く習性から、事実関係をある程度(この「ある程度」が曲者なものの)確認しようと、普段から心掛けている。
昨日もぱぱっと文章を書いた後、数字のチェックをしていて、「あれれ」というのが多かった。実のところ、日経新聞をある程度信頼しているから、新聞が事実関係をそんなに間違えないだろうと思い、かつこちらも新聞の記事をうろ覚えしているだけたから、それらに基づいてブログを書いた。しかしながら、過去の数字が、実はいい加減だと気づいてしまった。
うろ覚えしていたのは、海外が日本国債を過去最高水準にまで購入したとの記事だった。でも、統計を調べると、海外投資家の国債保有残高が最高だったのは現在ではなく、過去(2008年)にあったという事実だ。それに、昨日のブログで書いたように、海外投資家の日本債券への投資にはサイクルがある。現在は、その購入サイクルが盛り上がっているだけかもしれないし、逆に、ひょっとすれば大きな変革の兆しなのかもしれない。
学術論文にもいい加減なのが多い。それが現実だとすれば、マスコミの記事に全信頼を寄せるのは無理がある。常に過去の実績を振り返りつつ、マスコミの記事への信頼度を確立すべきだ。
2012/05/06