ダイヤモンドが打ち寄せる国、ナミビアとはどんな国なのか。独立したのは1990年、アフリカの中で最も遅いほうだ。独立以前は南アフリカの統治下にあった。それ以前はドイツの支配下だった。
ドイツから南アフリカに支配権が移ったのは1915年(第一次世界大戦中)である。当時の国名というか地域名は「南西アフリカ」だった。1990年以前の地図で確認すると「南西アフリカ」となっているはずで、妹から巻き上げた地図には、確かに「南西アフリカ」とある。
そもそもドイツが支配できたのは、ナミビアが不毛の土地とみなされており、列強に遅れて植民地支配を目指したドイツにもチャンスが残されていたからだ。現在の国名、ナミビアは、南部に広がるナミブ砂漠に由来している。正確には、北部の海岸地帯も砂漠といえば砂漠であり、スケルトンコースト(骸骨海岸)という地名が西洋人によって付けられている。また、ナミブ砂漠の「ナミブ」は現地語で「何もない」との意味らしい(ユーラシア旅行社のサイトから)。
ナミビアの国土面積は82.4万キロ平方メートル、日本の2.2倍なのに対し、人口は230万人程度でしかない。人口密度はモンゴル(どんなに人が住んでいないのか行ってみたいものだ)に次いで低い部類に属す。
でもナミビアに何もないわけではない。ダイヤモンドやウランの産出国として有名である。また、現在はマニアの間で知られている程度だが、北部の町、ツメブは銅の鉱山として有名だったし(今は採掘を停止しているらしい)、中西部のブランドバーグは水晶の産地として今も有名である。
しかも、人口が少ないということは動物にとって豊かな自然が残っていることも意味している。ナミビアは自然保護に力を注いでおり、それを観光の目玉にしようとしている。現地人にも、自然保護の感覚が根付いているらしい。実際、チータをはじめとして、野生動物の数は増えているとのこと。ある意味、230万人で広い自然の中に暮らしているとは、羨ましい。
2012/05/23