今日、勉強会で政治記者の話しを聞いた。政治にはあまり興味はなく、経済が政治の方向を最終的に決めると思っているものの、今日の印象として、危機的状態では政治的決断が重要だと知らされた。
日本の格付けをフィッチがAクラスに引き下げたことは昨日に書いたとおりである。日本の政治的混乱が続けば、他の大手格付け機関も日本のAクラスに格下げするだろう。この事実は重く、海外の投資家をして日本に愛想をつかす状態を作り出す。とはいえ、格下げを取り上げ、それを「大変だ」と言い触らすインセンティブは、現在の日本の関係者にほとんどない。その日本の関係者が国債の大部分を保有しているから、結果として国債価格は安泰である。変なすくみ状態である。
そうかといって、国債の裏付けとしての日本国の財政が安泰だとは、本音として誰も思っていない。リーマンショック級の世界経済の混乱が起これば、日本にどれだけの抵抗力が残されているのだろうか。また、噂されているように関東で大震災が発生すれば、国として何ができるのだろうか。日本国がかなり限界に立たされ、政策の自由度が縛られていることだけは確かだ。そうだとすれば、消費税を巡る目先の利害は、ほんのニシンの骨程度の問題にしかすぎない。そんな小物をあれこれ議論して何の得があるのか。そこに得があるとすれば、政治的な野心家にとってだけである。
今国会がどう決着するのか、政治記者にも「わからない」のが本音だという。タヌキとキツネの芝居のようなものだ。昔、役所の文書には行間に意味があった。現在、行間に大きな意味があるのは政治の世界に限定されてきている。そんな超文学の世界は村の政治に関わる住民以外は理解できない。理解できないから国民の政治離れが生じる。もっと直接的に語るべきではないのか。そうしないと仲間内だけの政治になり、芸人同士が仲間内だけでじゃれあっているきわめて稚拙な民法番組と同じになってしまう。
今日の勉強会の結論は、今国会の決着は「わからない」ものの、自民は民主による消費税引き上げを内心 歓迎しており、その方向での落とし所を探るのではないかとのことだった。
2012/05/25