川北英隆のブログ

登山用腕時計の秘密

腕時計をするのは好きでない。とはいえ、講義などの関係上、せざるをえない。教室に時計があればいいのだが、ない場合が多いので。それで腕時計は登山用のものだ。普段も便利だから。
この登山用の時計は日本製の電波時計であり、太陽電池、高度計、コンパス(方角機能)、温度計が付いている。アラーム機能や世界時計の機能もある。どこのメーカーのものか、知る人にはすぐにわかるはずだ。元々の時計メーカーのものではない。
この時計はいろんな場面で活躍する。たとえば、海外旅行にすごく便利、入学試験時などの時間を正確に知る必要がある場合に重宝、知らない町で地図を見るときに方角がすぐに判明する、とくに地下鉄から外に出たときに「こっちがどっちか」を調べるときに大いに役立つなどである。
ということで、かつては「スイスの高級時計が一本あればなあ」と思わないこともなかったが、今は「スイスの高級時計は、その何十分の一かの値段で買えるこの登山用の時計に及ばない」と思っている。
とはいえ、満足しているわけではない。
実は友人が少し前にほぼ同じモデルを買っていた。それが、買ってから5、6年だったと思うが、バッテリーが駄目になり使えなくなったと怒っていた。「太陽電池なのでかなり長く使えると思ってチタン製のベルトにしたのに」と。確かに太陽電池の時計はバッテリーがいかれて寿命が尽きる。昔、持っていた安物の太陽電池の時計がそうだった。暗いところにしばらく放置しておくとすぐに電池切れとなるので、「太陽がいっぱいなので問題ないやろ」と、ケニアでマサイの飾り槍と交換した。
で、僕の時計だが、友人と張り合ったわけではないが、やはりチタンのベルトである。それが、すぐに留め具(細い棒)が抜け、ベルトが外れる。留め具の加工が雑で、止め穴より微妙に細いからだ。この間などは旅行中に2箇所も留め具が抜けて、ベルトがばらばらになった。今は留め具が穴にはまった状態の上から、瞬間接着剤を塗って固定してある。高級時計でないのでどうでもいいし、岩に擦ったりしているのでベルト自体が傷だらけだし。
「やはり正規の時計メーカーでないからベルトもちゃっちいのかなあ」と思っていたら、最近、2人からベルトの留め具が抜けたので修理してもらったとの話を聞いた。それも正規のメーカーの高級時計である。この業界の最近の傾向として、ベルトなどの周辺部分の加工が雑になっているのかもしれない。学生時代にさんざん使ったボロ時計でも、こんなベルト事件は経験したことも、聞いたこともないから。

2012/05/31


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