灼熱の砂漠を歩いた経験から、ブランドベルグ山に登るには朝の涼しい時間帯を最大限に使うべきだとの教訓が得られる。この教訓により、意に反したキャンプの翌日は前日の遅れを取り戻した。
キャンプ地では夜中に山の端から月が登った。トイレのため夜中に起きると、海岸線にある町の灯りがはっきり見えた。
明け方、目を覚ますと相変わらず雲1つない晴天だった。とはいえ、キャンプ地と登山道は谷間にあるから、しばらくは日が差さず、涼しい。しかも登り始めると、高度が上がり、大気も涼しくなる。だから疲れなかった。前日の遅れを取り戻せたのには理由がある。
山頂へは一枚岩を4箇所登ることになる。花崗岩系の岩だから滑りにくいが、それでも傾斜があるので緊張する。一枚岩でない道には大きな岩がごろごろしている。植物は幹に水分を蓄えたバオバブ似かサボテン似の木や草が目立つようになる。
頂上のケーニヒシュタインが姿を表すのは最後の1時間程度である。大きな岩が積み重なったような山頂である。周りに同じ程度の高さの山頂が2つばかりある。
写真は山頂から西側を魚眼レンズで見たものだ。
山頂からの下りは同じ道を引き返した。その日のキャンプ地は標高2000メートル地点、風が強かったので林の中だった。1日中(夜明け過ぎから日没まで)歩いたおかげで、当初の予定に戻った。
2012/06/19