川北英隆のブログ

奈良と京都の街並みの差

先日、叔父の一周忌だというので奈良に行った。正確には天理にである。天理は山辺の道への観光客で賑わっていた。坊さんのありがたいお経をいただいた後、一同で昼食、奈良市に出向いた。
ついでに書くと、法要にやってきた村の坊さん、住職は、最近赴任してきたという。その前はサラリーマンだったらしい。年齢は70歳くらいに見えたから、定年後の道楽で住職になったのかもしれない。そこまでは話に出てこなかったし、質問しなかった。俄の坊さんだから「説教を聞いてもありがたくも何ともない」と親戚が話していた。「じゃあ、一周忌を催す意味は」とまでは言わなかったが。
出向いた奈良市内だが、昼食をとったのは奈良町にできた豆腐料理の店である。町屋を豆腐料理の店にしてあった。料理は豆腐関係のコースとなっていた。汲み上げ湯葉は時間がかかり、なかなか満足しない料理だが、その他は良かった。感想として、京都は南禅寺の湯豆腐に比べてはるかにいいとの声が多かった。
奈良町は、前にも書いたように最近注目されている観光地である。老舗の酒屋、砂糖屋、墨屋などがある。それ以外にもあるのだろうが、昔は大したことなかった(そう思っていた)ので覚えていない。
その奈良町を歩いていると、「京都(中心部)にも古い町並みがあるけど、どこが違うのやろ」との質問を受けた。「そう言えば違うな」と答えながら考えた。
1つは、奈良の町並みが碁盤目になっていないことである。また坂がある。三笠山からの斜面に町が広がっているから。
もう1つは、京都の町並みには駐車場で歯抜けになっている部分やビルになっている所があるが、奈良は廃屋も混じっている。経済力の差だろう。飲食店も、奈良はほとんどないに等しい。道も奈良の方が狭く、昔のままのようだ。
最後に、観光客の数だろう。奈良は東京などから遠い。修学旅行生もめったに見ない。
逆に奈良には鄙びた良さがある。遠く吉野方面に足を延ばせば京都にない良さが満喫できる。「一度、奈良に」とお勧めしたい。

2012/06/01


トップへ戻る