川北英隆のブログ

ユーロ安の恩恵やいずこ

昨日の夕刊に、学生との勉強会と飲み会だったのでコメントできなかった記事がある。日経1面トップにあった「欧州製品値下げ」の記事だ。以前から、ブランド品中心に恩恵がないと感じている。
堅気のサラリーマンをしていた頃ほどではないが、ネクタイが商売道具となる場面が多い。最近は講演会を中心に使うから、まず相手を「威嚇する」か「驚かす(おどかす)」か、いずれにしても相手が「へえー」と感じるものでないとと思っている。
この主義は友人から教えられたものであり、「せやね」と賛同し、自分の主義としている。ついでに書くと、友人はネクタイと靴を引き合いに出していた。靴は「足元を見られる」かららしい。とはいえ、一日に1万歩以上歩く者にとって、上品な靴はすぐに壊れる。実際、海外で買ってきた某有名ブランドの靴(スイスおよびイタリアの靴)は日本のブランドと比べると「あっという間」に、それも致命的に壊れ、ゴミと化した。
で、そんなネクタイだから、新しいものを買いたいといつも思っている。某、別の有名ブランド(フランス)のものが一番締めやすいこともあり、機会があるとそのブランド店に入るのだが、べらぼうに高い。しかも、ユーロ高につれてどんどん値上げしたくせに、ユーロ安にはびくとも反応していない。
この実感があるから、ユーロ安で欧州製品が値下げと書かれても、「そうかな」と思う。もっともその記事によると、欧州本社との取引は円建てだからとか、安易な値下げはブランドの毀損になるとかの理由から、「ただちに値下げ」とはならないらしい。
でも、円建て取引といっても、相手はユーロ安の恩恵を受けて「うはうはユーロが稼げている」わけだ。また、安易な値下げはともかく、容易に値下げしないこともブランドの毀損になるのではと思う。
実は、周囲の反応が「そんなので講演するの」というネクタイを1本持っている。直接そう言われたことが2回ある。女性ファッションで登場する、イタリアのヒョウ柄とも言うべきEmilio Pucciが作るネクタイだ。これもなかなか締めやすく、相手を「驚かす」という意味では合格だし、今まで使ってきたブランドの半値以下だ。これに本格的に乗り換えるかとも思うが、どうもネクタイとしての人気がなく、柄の選択肢が狭いようだ。

2012/06/10


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