太陽光発電事業への参入が活発化している。その発電電力を電力会社が固定価格で買い取る制度が発足したからである。問題は、その電力料金の負担がどうなるかだ。
その負担実態が明らかになりつつある。6/18のニュースによると、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの買取制度により、7月以降、標準的な世帯で月87円、1年間で1000円程度の値上げになるという。これは今年7月から来年3月までの金額らしい。
要するに発電コストが高いから、固定料金が買い取らないと参入が促せない。問題は、固定料金での買い取り負担を誰が行うのかだが、それを、電力を使う側にしようとの、金欠になりつつある政府と政治家のアイデアである。
では、もっと太陽光発電事業への参入が活発化すればどうなるのか。太陽光発電事業のコストは高いので、電力を使う側の負担がますます増えることは間違いない。発電コストが下がれば発電量1単位の買取単価は下がる仕組みらしいが、課題もある。電力の利用側が発電側と直接交渉できないから、値下げ交渉を役所や電力会社の努力に委ねるしかない。でも、彼らは、交渉がうまくいかなかったとしても自分の腹が痛むわけではない。どこまで本気で交渉してくれるのか。
まだ1年間1000円程度だからいいようなものの、この負担額が急速に高くなるようなら社会問題化するだろう。その時、政治は「国民の味方」を装うわけだから、買取価格の引き下げを主張するような気もするが、では発電に参入した事業会社や家庭は値下げを食らいそうで、どうなるのか。
いずれにせよ、政治家としてみれば、電力の使用者なのか発電者なのか、どちらに肩入れしても大問題になりそうな悪い予感がする。この予感が当たらなければいいのだが。
2012/06/19