川北英隆のブログ

鳩ポッポの功罪

今日、研究室で本当にあった鳩ポッポにまつわる出来事を紹介したい。鳩ポッポといっても元首相の鳩ポッポではない。本物の鳩ポッポの巧みな生活である。
夏のこの季節、朝の6時前から起きている。今日も朝に家で少し仕事をし、大学に行って朝一番で講義の後、混まないうちに昼食をとり、研究室で書き上げたばかりの原稿の修正をしていた。と、睡眠不足が祟るのだろうか、修正作業にミスが目立つようになった。眠いのだろうということで時計を見ると、午後に予定されている会議まで30分少しある。そこで、15分程度眠ることにした。
特技は、5分でも10分でも、寝ようと思えば瞬間的に寝て、瞬間的に起きられることである。立って寝ることはもちろん、歩きながら寝ることもできる。当然、岩をベッドに寝ることも可能だ。何んて、あることないこと自慢話を延々並べたてると、今月、某朝刊の文化欄で話題のFY氏のように嫌われるので、この程度で止めておく。
ともかく、椅子に座りながら目をつむった。意識が朦朧としたと思うと、ポッポッと鳩の鳴き声で目が覚めた。実は少し暑かったので窓を大きく開け、風を入れて寝ていた。その窓の外の手すりに鳩が止まり、こっちを向いて鳴いていた。その鳩を追っ払い、時計を見ると10分少し寝たようだった。
まさに生きた鳩時計だ。そこで鳩に感謝しようと思ったが、考えてみると、「あの鳩はいつも悪さをする鳩では」と半ば気づいた。
理由を説明しておこう。大学の建物は予算がないため、民間会社の建物のように廊下にまで冷暖房が入っていない。だから、夏は廊下の両端にある大きな窓が開放される。それに目をつけた鳩が、「こりゃ、ええやん」というので、廊下に侵入し、部屋の表札(教員の名前が書いてある札)の上に止まり、フンをする。そんなことをされた分にはたまらないので、事務が廊下の両端の窓の外側に鳩避けの目的でネットを張ってしまった。おかげで廊下から見えた大文字の送り火が(写真の対象として)台なしになった。鳩にはその恨みがある。
今日の鳩は、廊下以外の侵入経路を探していたのかもしれない。その時、たまたま寝ている人間を発見したので、恩を売るためにポッポと鳴いたのか。それとも鳩語で「そこを退け」と叫んだのか。いずれにしても、それで具合良く目覚めたのだから、鳩ポッポに感謝かな。それとも、もう5分位寝ても自然に目覚めただろうから、余計なことをしてくれた鳩ポッポなのか。

2012/06/27


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