川北英隆のブログ

金銀砂子の夜空

今日は七夕、毎年同じ愚痴、「何で新暦の七夕か」とは今年は言わない。山の中で見る、月のない夜空の美しさは、「笹の葉さらさら」に登場する金銀砂子そのものだと言っておこう。
今の都会では星がパラパラと見える程度だが、昔は街灯もほとんどなかったから、天の川もうっすら見えた。「田舎に住んでたんやろ」と言われればそうかもしれない。人口5万人少しの市の、それも市内に住んでいたのだが。
それでも、学生時代に山小屋で泊まったとき、夜空いっぱいの星を初めて見た時には感動したものだ。町中ではめったに見ることのなかった流れ星も、ほんの数分の内に複数見ることができる。
現在も山の中で泊まる時の楽しみは夜空だ。その空に、以前にないものが見える。人工衛星である。流れ星を探していると、ときたま、ゆっくりと星の間を移動していく星がある。人工衛星とすぐにわかる。現在の牽牛と織女は、この人工衛星を使ってデートするのかもしれない。
この前、ナミビアでは初めて大マゼラン雲(大マゼラン星雲)を見ることができた。銀河の近くにある小さな星雲で、本当に雲のように見えた。多分、以前も南半球の山に登った時に見えていたはずだが、明るくないので見逃していたのだろう。また、全天で2番目に明るい星、カノープスも初めて確認できた。黄色く光っている。日本でも地平線近くに見ることができるとのことだが、好条件が得られないと無理なはずだ。
今日の関西は雲の多い一日だった。ということで、牽牛と織女のために金銀砂子の夜空を思い出してみた。

2012/07/07


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