川北英隆のブログ

大学教育と夏休みと節電と

祇園祭の山鉾巡行が終わった。平日だったため、昨年より人出が少なかったとか。午後から東京に行き、夜に戻ると、長刀鉾の骨組みだけが残っていた。いよいよ夏本番だが、授業は終わらない。
今日、梅雨が明けた模様とか。昼頃の京都は快晴に近く、暑かった。祇園祭のクライマックスとともに梅雨が明けると、学生時代に巡行を横目に市電に乗って京都駅に行き、富山方面の夜行で北アルプスに入ったのを思い出す。当時、講義は7月の初めで終わった。後は学生が適当に夏休みを過ごしたわけだ。
今はどうか。7月いっぱい講義があり、8月初めに期末試験となる。夏休みは8月10日くらい(正確にはもう少し前)からだ。お盆近くになって夏休みなんて、感覚がずれてしまう。第一、そんな時期まで学生を引っ張りまわしたのでは教室の電力需要が減らない。節電要請に反している。
ちぐはぐなことになっているのは、15回の講義を要請されているからだ。
教える側からすると、今の15回の講義の要請は形式的すぎる。そもそも、就活とかで学生が休むものだから、15回の意味も薄れている。5月の祝祭日や海の日とかで、休みも多い。15回やるのなら、祝祭日や土曜日も返上して授業をすべきだし、就活なんて勝手なことを講義期間中に学生に押し付ける企業を徹底してやっつけるべきだ。そして、暑い夏はきっちりと休み、学生の自主性を促さないといけない。その期間に就活でも何でもすればいい。それを文科省はどこまで徹底しているのか。
クラブでの北アルプス行きは、貧乏学生にとって一大イベントだった。どこに行くのから始まり、計画をしっかりと立て、装備も揃えた。その打合せのために大学の近くの喫茶店で何回か集まったのを思い出す。
そんなことを通じて学生の社会性が養われたように思う。講義だけが大学生活ではない。メリハリの効いた活動を促すことで、日本の将来を担える学生が育つはずなのだが。中教審の偉い先生方にどこまで意識があるのやら。

2012/07/17


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