いつものように鴨川を歩いて大学まで行った。この時期は暑いので、川の東側を歩くことが多い。岸の上の並木が歩道に影を落としてくれるから。今日は曇っていたので、西側を歩いた。
先々週の週末に大雨が降り、先週末にもまずまずの雨が降った。このため、川の様子が変わっていた。中洲の位置や形が明らかに変化している。そんなことを楽しみながら歩き、荒神橋の手前にある小さな堰堤にさしかかったとき、見慣れぬ影に気づいた。堰堤の浅い流れの中に、太く長い茶色の物体が、かすかに動きながら横たわっている。
立ち止まって確認すると、生きているのか死んでいるのか(かすかに動くのは泳ごうとしているのか、流れのせいなのか)不明だったが、どうもタイワンドジョウの一種のようだった。Wikipediaで調べてみると、カムルチーという大型のタイワンドジョウと思える。体長は1メートル近くあった。
上流で生息していたのが大水で流され、堰堤にひっかかって動けなくなったのだろうか。タイワンドジョウの横たわっている水面までかなりの距離があったし、朝一番の講義に急がないといけないので、少し観察しただけで立ち去った。
昔、郡山の実家近くの沼(城の堀の跡)でタイワンドジョウが泳ぐのを見つけた。鯉や鮒なら捕まえたいと思う子供の頃だったが、タイワンドジョウは大物過ぎた。それに両親から、寄生虫がいると教えられていたし、巨大でヌルヌルした感じがあるから、捕まえようとは決して思わなかった。
そんなのが鴨川で泳いでいるのも、薄気味悪い。歯が鋭く、肉食らしいし。Wikipediaでは淡白な白身魚とあるが、同時に、「刺身等で生食すると顎口虫症の危険がある」とも書かれている。レバーでもなんでも刺身で食いたいという現代の日本人にとって、危険な生き物だ。
追記:今日(7/24)も同じ道を歩いたが、タイワンドジョウはいなかった。食われたのか、うまく流れに乗れたのか。
2012/07/23