ユーロが崩壊するのかどうか。昨日、講演を聴いていたところ、やはりかなり際どい状況らしい。とくにギリシャの扱いが問題となる。前にも書いたが、正直なところ出たとこ勝負なのだろう。
もちろん、当事者は必死かつ最善を尽くしているのだろうが、政策は間違うためにあるようなもの。そこまで皮肉に言わないまでも、間違いは常にありうる。
投資家として考えておかなければならないことは、次の2点に尽きるのではないだろうか。
1つは、ユーロ崩壊がありうる、とくにギリシャの離脱というか切り離しというか、そういう事態を想定しておかなければならない。同時に、スペインがどうなるのかである。ギリシャとスペインでは世界経済への影響度が雲泥の差なので、まさか潰せはしないのだろうが、この問題は、一番得をしてきたドイツが「背に腹は」と思うかどうかにかかっている。この最悪の事態もシナリオとして覚悟したうえで、対応を考えなければならない。
もう1つは、ギリシャが崩壊し、それがスペインに、さらにはイタリアにと波及したとき、ユーロという通貨の行方が問題となる。崩壊した国は新たに自国通貨を復活させざるをえない。そのとき、ユーロは不良部分を切除した優良通貨に変身している可能性が高い。かつてのドイツのマルクと、フランスのフランを一緒にしたような通貨が新しいユーロになりうる。
最悪の事態が実現したときに、ユーロがどうなり、どれだけの潜在的価値を有するのか、この点は非常に重要だ。ユーロが核分裂を繰り返し、最終的にマルクに戻れば、それはそれでユーロ投資が大儲けになるかもしれない。
2012/07/27