財務省が7月の貿易統計を公表した。それによると、7月は、輸入は価格の落ち着きから少し減少傾向にあるものの、輸出の減少が目立ち、結局のところ「輸出?輸入」の赤字幅が拡大した。
輸入量は高水準で横ばいを続けている。一方、火力発電用の燃料価格が低下傾向にあり、輸入金額は減少気味である。もっとも、電気機器や自動車など、かつての日本の輸出商品の輸入がじわじわと増加しているようである。今後、貿易統計を分析する場合、要注意の品目だろう(僕自身、あまりまじめに見ていないが)。もう1つ、ヨーロッパからの輸入が増えているようだ。ユーロ安が影響しているのかもしれない。
7月に冴えなかったのは輸出の方である。ヨーロッパ向けやアジア向けが不振なのは従来かからの傾向である。心配なのはアメリカ向けも減少過程に入ったように見えることだ。この点は今後の注意点だろう。輸出を品目で見ると、一般機械が前年比で10%以上の減少となった。電気機器も10%近い減少である。とくに電気機器の中で、電子部品が昨年1月以降、連続して対前年比でマイナスを続けている。日本の製造業において電子部品の競争力は高かったと思うが、どうも大きな変調としか見えない。
以上の結果、「輸出?輸入」は赤字が続いている。季節調整後の赤字幅は前月を少し上回り、3256億円だった。貿易段階での赤字の解消は、それがあるとしても、まだまだ先のことになりそうだ。
2012/08/22