久しぶりに先斗町の「ますだ」に行った。好きな店である。何回もこのブログに登場したと思う。今更ながらであるが、一応書いておきたい。「おばんざい」というか京都のちょっと高級な家庭料理である。
京都で比較的気軽に京都らしい店をと言われると、まずは紹介しないといけない。ネットで検索しても、すぐに出てくる。もっとも点数は高くない。だから、こういうネットでの評価にバイアス(偏り)がある厳然たる証拠だと、いつも思っている。
日本料理が何か、そのそもそもの味はどんなものか、それを知らないで飛び込みで食べ、評価しても仕方ないと思う。逆に言うと、日本料理の旨さを理解せず、もしくは好まずに入ったとすれば、決して満足しないだろう。まずは食べてみようと言う前の注意書きである。
さて今日は、鮎の塩焼きを食べたいと思ったのだが、「季節が終わりで、ない」とのことだった。まずは最初の関門である。「鮎なんて夏ならいつでも」と思うと大きな間違いである。それに、季節に店に行けて出てきたとしても、小ぶりである。一般に食べ慣れた太った鮎は出てこない。そこで「何やこれ」と思ったのなら、即退場かな。
小ぶりの鮎を焼いたのがたまらない。って、テレビのやらせ評論みたいだ。そこまで感動する必要はないのだが、本物の鮎とはこんなものだと知ることができる。「ますだ」に限らず、ちゃんとした店の鮎の塩焼きは、すべてそうである。一流かどうかの試金石だろう。
それはともかく、京都らしいのは料理の鉢がカウンターに並んでいることだ。そこで、食べるのなら少人数で出かけ、カウンターに陣取って食べることだと思っている。カウンターの前で接客しているお姉さんやおばさんに(家族だと思うが)、「これは何」と質問すればいい。
ただし、肉類はカモだけである。ステーキはなかったと思う(そんなことを考えたこともないが)。後は魚類、湯葉、野菜など。「そんなん昔の料理やがな」と言えばそうだから、ネットでの点数が上がらないのは「当然」だと思っている。
値段はと言えば(実は店のどこにも、値段のヒントはない)、安くはないが高くもない。満足度からするとリーズナブルだと思っている。そうそう、コースも扱ってくれるが、お薦めではない。あくまでも、カウンターもしくはメニューを見て単品で頼むにかぎる。
追記:混んでいることが多く、終わる時間も早いので、要予約である。
2012/08/24