川北英隆のブログ

日本株が買われない理由

というお題をもらい、某所で話し、その後で意見交換した。というのも、聴衆もプロだから、一方的に喋れる状況にはなかったから。では、何が参考になったのか。
その講演の後で懇親会があり、飲んでしまったため、忘れている意見がありうる。まあ、それは無視して(後で気づけば修正するとして)、記憶に残っているのは次のようなものだった。
第一に、日本株式に問題があるとして、どこから問題に手を付ければいいのか。
第二に、日本企業の収益性の低下は何が原因なのか。
第三に、円高の影響はどうなのか。
第一の問題に関して、企業側の要因はさておき、政治、教育という長期の要因から、短期志向を余儀なくされる背景という短期的な要因まで、さまざまな意見が出たと思っている。結論は、いろいろ推論が可能なものの、決定的要因を指摘するのは不可能に近い。
第二の問題について、競争力のある製品の喪失、選択と集中の甘さ、大企業の人員温存、円高などが指摘された。多分、これらが複合的に関係しているのだろう。
第三の問題について、これは個人としての意見なのだが、企業は「円高が悪影響を及ぼす」と何回も繰り返し主張してきた。それにもかかわらず、抜本的な対策として、自らの海外展開に必ずしも積極的でなかった。円高は海外投資の絶好のチャンスなのだが。この事実は経営の怠慢ではないのか。つまり、リスクをとらなくなった。
その他、経営者の財務的能力の資質・決断に対する資質、東証のスタンス(上場企業を本気で分析しているのか)、教育問題なとどさまざまな視点で議論した。これらの意見を思い出しつつ、日本市場のことを考え続けたい。
もっとも、今日の議論は、超高齢の老人をいかに甦らすかの議論に近いような気もして、「政府の政策が悪いから」と答えがちなところ、とりあえずは我慢である。

2012/08/08


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