川北英隆のブログ

姑棄野山

家内と僕の両親は比較的長寿である。順番どおり男がまずいなくなった。次は女達の番、いずれも90歳前後になっているから、いつ何が起きても不思議ではない。そこで、家内の母親に会いに行った。
10月になったこともあり、家内の母親は、連れ合いが6年前の11月に亡くなったことを気にしていた。今度の正月を迎えられるのかどうかの心配かもしれない。
90歳にもなると体が動かなくなる。満足に歩けないと食欲も出てこないし、同じ風景ばかり見て過ごすのも楽しくないはずだ。そんな状態に僕がなったら、早く死んだ方が余程嬉しいと思うだろう。
で、少し話題が飛ぶが、こないだ鳥羽のゼミ合宿で使ったホテルの住所は「鳥羽市安楽島」である。「安楽島」とはいいなあ、ひょっとして超老人向けに流行るのではと思っていたら、「あらしま」と読むとのこと。残念である。
東京には「霊岸橋」と「霊岸島」がある。極楽に近いような雰囲気のある地名である。実際はそんなご利益なんかありそうにないが。実は、この霊岸島に水位観測所があり、その観測によって地図作成のための水準原点(標高ゼロメートル)が決められたとか。日本にとって有難い場所であるのは確かなようだ。
もう1つ、地図を眺めていて見つけたのが、京都の京北町にある「姑棄山(姑棄野山)」、「姑棄野橋」という地名である。長野の姥捨山と同じく、「うばすて・・」と読むのかと思ったら、「こきの」と読むとのこと。http://blogs.yahoo.co.jp/hiroayu29/archive/2008/3/18に橋の名前が写っているし、http://uenishi.on.coocan.jp/10lib-sankaku/p262-50keihokumiyama.htmlでは登山者が「こきのさん」とルビをふっていた。「うばすて」と読むのを嫌った結果かもしれない。
いずれにしても女性は長生き、昔は老いた後の扱いが難題だったのかもしれない。今も?

2012/10/01


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